いつもヨガのクラスで会っていたおばさまから、「お産は、全てが異なるものなの。何人産んでも毎回全然違うし、自分ではコントロール不能なものだと思っていた方がいいわ。そのときの流れに乗るしかないけど、どんなお産であっても、素晴らしいものだから、頑張ってね。」と、アドバイスを頂いていました。
おばさま、まさに、お言葉の通りでした(涙)
11月1日の朝に、Bloody show(おしるし)と呼ばれる、お産が近づいた合図と思しき、茶褐色のおりものがありました。一般的に、おしるしがあると、3~4日で陣痛が来ることが多いようなのですが、人によってはそれ以上かかる人もいるとのことで、私もお腹の張りがほとんどなかったので、時間がかかるだろうなぁと楽観視していました。
2日後の11月3日の午後に、前駆陣痛のようなものがあり、あれれ?もしかして意外と早く産まれるのかな?と思っていたら、翌4日の朝4時に突然破水して、お産が始まっちゃいました。
破水からお産が始まることは滅多になくて、全体の10%くらいだと両親学級で教わっていたので、ちょっとビックリしました。しかも、羊水は、無色透明だと聞いていたのに、私の場合、明らかに出血もある鮮やかなピンク色。そのせいか、バースセンターに電話したとき、最初に言われたのは、「おしるしだということはない?」でした。十中八九破水だと思い、出血しているようなのが気になったものの、その時点で陣痛もなかったので、悠長に、入院グッズをもう一度確認したり、KOKOに朝ごはんをあげたりして、家を出たのは5時近くでした。
急な展開に動揺しているEdを落ち着かせようと明るく話していたのですが、バースセンターに向かう途中で、6~8分間隔で陣痛が始まり、ああ、今日か明日には生まれるんだなぁと不思議な気持ちになりました。
バースセンターに着くと、胎児の心拍と陣痛を計るモニターにつながれて、質問に答えていると、かなり眠そうなパンクな女医さんが現れました。液体が羊水かどうかを顕微鏡で確認に行き、「おめでとう!破水よ!」と拍手をしながら戻ってきました。この時点では、子宮口は1cmしか開いていませんでした(分娩時は10cmまで開く)。
陣痛はあったものの、歩くのは平気だったので、Edに入院グッズを車から持ってきてもらうように頼んで、部屋に移動。ベッドに横たわると、すぐに点滴を打たれ、また心拍や陣痛を計るモニターにつながれて、担当してくれるナースのWさんの質問に答えて、電子カルテを作ってもらいました。最初は笑顔で答えていられたのですが、段々、陣痛の間隔が短くなり、しかも、尋常でない痛みに襲われ始めて、答えるどころではなくなっていきました。
6時を過ぎた時点で、陣痛の間隔が2~3分に1回、1分程、腰から脳天に突き抜けるような激痛が走るようになってました。痛みを逸らすために持ち込んだバランスボールや音楽を使うどころではなく、呼吸法も頑張ってみたけどすぐに途切れちゃうし、とてもじゃないけど、ベッドから起き上がるなんてできません、という状態。これが、6時間半続きました。途中から、寒気がするようになり、ヒートパッドをあててもらったり、WさんとEdに引きずられてジャグジーに入れてもらったりしたのですが、全く役に立たず(涙)
8時過ぎに、Dr.Kが来てくれたのですが、破水かつ出血している状態での内診は、胎児が膣から感染するリスクが高くなるとのことで、もう少し陣痛が進むまでできないと説明されました。
丁度1年前、同じ部屋で娘さんが出産したというWさんが、私と娘さんが重なったのか、時間が進むにつれて、私の様子を見て涙ぐみ始めて、「使いたくないという気持ちは分かるけど、先生からは、最初からEpidural(硬膜外麻酔、無痛分娩で使われます)を使っていいと許可が出ているの。使った方がいいわ。これは酷過ぎる。」と言い始めました。普通、Epiduralは、お産が進まないと使わない筈なのですが、私の場合、最初から陣痛間隔が短かったせいか、子宮口が開いていないのに許可が出ていたそうです。
できれば使いたくなかったので、Wさんの申し出を拒否して、さらに耐えていたのですが、先が見えない中で耐えるのは辛すぎると、Wさんが内診をすると言いました。内診も、激痛以外の何物でもなかったのですが、子宮口がまだ1cmのままと言われた時は、心底ガッカリして痛みが倍増した気がしました。これ、あとどのくらい続くんだろう??って思って。
Epiduralを使いたくないと何度も言っていたので、Edは励まし続けてくれたのですが、Wさんは、痛みで気を失い始めた私と、胎児の心音を確認しながら、「ストレスが大きすぎて、この状態があまりに長く続くと、胎児に影響が出てしまう。それに、このままだと、疲れきっていきめなくなる。Epiduralを使うと、子宮口が開くこともあるから、やっぱり使ってほしい。」と説得モードに。30分くらい抵抗したのですが、ベビちゃんの心音が下がることがあり、怖くなって、使うことにしてしまいました。
12時半に、麻酔医が到着。痛みがこない2~3分の間に打たなきゃいけなかったので大変だっただろうなぁと思います。もう、自分では起き上がれず、座ってもいられなかったので、WさんとEdに支えられながら、打たれましたが、よく憶えていません・・・。13時くらいに麻酔が効き始めたのか、痛みは、酷い生理痛くらいの痛みまで激減。(最低量にしてもらったので、無痛にはなりませんでした。)そして、一気に子宮口が5cmまで開き、午後4時前には、Dr.Kが来て、バタバタと分娩の準備に入り、30分いきんだ後、無事、産まれてくれました。
ずるり、と出てくるのが分かって、直後にものすごい大音量で泣いている娘を見て、よく頑張ったねぇ、と涙が出ました。へその緒がつながったまま胸に乗せてもらうと、凄い力でしがみついてきて、この小さい赤ちゃんが、ついさっきまでお腹にいたということが信じられなくて、恐る恐る撫でました。感動に浸っていたので、うっかり、へその緒を切っているEdを見ていなかったのが、残念でした。
私がいきみ始めたとき、「誰か倒れたら助けてくれますか!?」とEdが言い、Dr.Kに、「ここにいる人は全員ZIZIのためにいるのよ。自力でソファに行きなさい」と言われて、笑いが起こっていましたが、無事、倒れることなく、産まれるところも見届けて、へその緒もちゃんと切ったようで、目がうるんでいました。(←感動で)
ところで、なぜか娘は頭からではなく、腕から出てきちゃって、腕→肩→頭の順になってしまったんです。肩が出てくるときに、勢いよく出てきたらしく、会陰は裂けてしまいました(涙)
お腹の中で手足をバタバタしてたので、手が上にきたまま動けなくなっちゃったのか・・・。産まれた直後からも、手足をバタバタと動かしまくってます。
全然、想定していたのと違うお産で、お産の直後、Epiduralを使った自分にガッカリしてしまったのですが、もし使っていなければ、Dr.Kに取り上げてもらうこともできなかったし、結果としては良かったのかな、と今では思っています。自分では、割と痛みには強い方だと思ってたんですけどね・・・残念ながら、大したことなかったみたいです。
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