最近の娘のお気に入り絵本は、年末に訪ねてきてくれた弟からの、誕生日兼クリスマスプレゼントです。
ブルーノ・ムナーリの「たんじょうびのおくりもの」
ムナーリは、私が大好きなイタリアの作家、というか、アーティスト。どう表現していいのか分からないくらい、様々な活動をされています。
実は、私のハンドルネームは、ムナーリのおサルの人形、ZIZIからもらっています。プロフィール写真のおサルが、それです。ムナーリとの初めての出会いは、このおサルの人形でした。
確か、かなり前に、
京都の恵文社で一目ぼれして購入したと思うのですが、以来、ムナーリに興味津々。
当時は、ムナーリ著作の日本語訳ってほとんど出てなくて、英語版を探したのですが、やはり数が少なく、唯一手に入れたのが、「Circus in the mist」です。その後、日本語版「きりのなかのサーカス」が出版されていますが、英語版は、もう、アメリカでは手に入れづらいようです。
この絵本は、私の宝物の一つ。
トレーシングペーパーで霧が表現され、トレーシングペーパーを通して、ぼんやりと次のページのイラストが浮き上がる仕組みは、本当に美しい。
手に入れたときは、このアイディアとデザインに、ガツンとやられた気分になって、かなり長い時間をかけて、ページを繰ったことを憶えています。
デザインの力って凄い、ということを、体感したというか。
絵本だけれど、大きくなるまで、娘には触らせないつもり・・・。
話が逸れましたが、「たんじょうびのおくりもの」は、そのムナーリが、愛息のために、1945年に作ったというシリーズ絵本の1冊です。英語版は絶版ですが、日本語訳は、2011年に初訳出だそうです。谷川俊太郎さんの訳って言うのも、ツボです。
戦時中の物資の乏しい中、手作りした絵本10冊のうち9冊が出版されています。残り1冊は、原画が行方不明だそうで、とっても残念。
お話もイラストも、とてもシンプル。
でも、色合いは美しく、冗談みたいな話の進め方と、その仕掛けが、捻ってるな~!という、かなり奥の深い絵本です。
娘は、大きさの異なるページを繰るのが楽しくて仕方ない、という感じ。最後にお父さんが家に帰ってくるシーンは大喜びで、何度も何度も扉を開けて、喜んでいます。
子供も喜び、大人の目から見てもセンスの良い、素敵な絵本です。
こんな絵本を作ってもらえた息子さん、物凄く幸せ者だな~と思います。
こちらのシリーズ1冊目ももらったのですが、「たんじょうびのおくりもの」の方が、ツボのようです。でも、こちらも、そうくるか、というオチと、美しいデザインが、凄いなって思います。娘は、今は、「これなにー?」と不思議そうに眺めていますが、もう少し大きくなったら、楽しめるのかな。
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